ひばりのいるえき

『こんな相葉くんは見たことなかった』と言われたいと演出の宮田さんが、雑誌で言われていました。



相葉ちゃんは相葉ちゃんのままで高島くんだったけど、それが良い方で活かされていた。
ラスト、燕のヒナを手にした相葉ちゃんは、私の勝手な感想では『マリア様か観音様か』って位に慈愛に満ちたお顔をされていました。
すべてが破滅に向かってしまった世界の中で、生きている小さな命。
こんな世界でも生きる力強さがまだ存在する、その事を讃えているかのような相葉ちゃんの表情。

ホント、あんな相葉雅紀は初めてみたよ。
ニノが演出家の方に敬意を示していましたが、ホントに相葉ちゃんにこの舞台を選んでくれてありがとうございます。

もう、今から80年後の世界は何処かもの悲しくて、切ない空気が流れていた。
軽快に会話がなされているのに、どこか寂しげで。

私、思いっきり最初の方から泣き出してしまい、クライマックスでは頭痛が起こり始める始末。
涙腺はもともと緩いのですが、さすがに自分でも引いたよ。
ゆきちゃんが弟に会えなかった、寒がりだから毛布持っていたんだけど。。。って話から泣きっぱなし(笑)

最初の次郎ちゃんのお母さんの話で鼻ぐちゅぐちゅ。
コミカルな『パンダのうた』とかで笑いたいんだけど、鼻が詰まって酸欠状態で苦しくなるし。

直接的な言葉はないけど、あの世界の人たちはきっといつかやってくる最後に気付いていたんだろうな。
意識、認識はしていなくても『何かおかしい』『何が始まっているのだろう』と本能で知っていたんじゃないのかな?
だから、あんなにも人々は軽快に生きようとしていたんじゃないのかな?

願わくば、80年後の世界で瞳の色・髪の色・肌の色でお互いを区別するような事がありませんように。

願わくば、パンダみたいな、狸みたいなおかしな雲の正体が忘れられていませんように。
願わくば・・・。